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耳抜きの方法とコツを現役ダイビングインストラクターが徹底解説!【苦手な方必見!】
耳抜きとダイビングについて
こんにちは。
宮古島のダイビングショップ「ガイド屋さん」です。
今回はダイビングで必ず必要な【耳抜き】についてのお話です。
耳抜きは、ライセンスをお持ちでない初心者の方が参加する、比較的水深が浅め(5m)のビーチ体験ダイビングでも、最大水深12mまでのボート体験ダイビングでも、必ず必要になるダイビングスキルです。
しかし耳抜きが上手くできるか、不安な方は多いのではないでしょうか。
宮古島の初心者専門ダイビングショップガイド屋さんでは、年間1000名の体験ダイビングツアーを15年以上開催しています。
初心者ダイビング専門店のダイビングインストラクターとして実際にお客様のツアーガイドを担当していると、非常に多くの方が耳抜きに不安をお持ちだと感じます。
そこで今回は、耳抜きの正しい方法とコツを、分かりやすく徹底解説したいと思います!
ダイビングを計画中の方で、耳抜きの知識がなく、自分にできるのか不安な方は、ぜひこちらの記事を読んで耳抜きの正しい方法とコツを身につけておきましょう。
耳抜きとは
高層ビルのエレベーターに乗ったときや、車で標高の高い峠を越えたとき、飛行機が上昇や下降した際に、耳がツーンとなったり、時には痛みを感じたりすることがありますよね。
ダイビング中も水圧の関係で、耳に同じような現象が起こります。
水面から徐々に潜っていくと、1メートル程度のごく浅い水深でも、耳が押されるような、詰まったような違和感を感じます。
この耳の違和感を取り除く方法を『耳抜き』といいます。
ダイビング中、耳に違和感を感じた時に、耳抜きをしないで放っておくと、耳の詰まったような違和感は徐々に強くなっていきます。
ダイビング中、耳の違和感が強くなったり痛みを感じないようにするため、少しでも耳に違和感を感じたら、耳抜きをして耳の違和感を取り除いてあげましょう。
では実際に、耳抜きの基本的な方法とコツをお伝えします。
正しい耳抜きの方法をマスターして、快適にダイビングを楽しむ知識とスキルを身につけましょう。
耳抜きの方法
ダイビングの耳抜き法には、
- バルサルバ法
- 嚥下(えんげ)法
- トゥインビー法
- フレンツェル法
など様々な方法があります。
この中で、体験ダイビングツアーに参加されるダイビング初心者の方に最適でおすすめの耳抜き法は、バルサルバ法と嚥下法を組み合わせた耳抜きです。
バルサルバ法とは簡単に説明すると、指で鼻を軽くつまみ、テッシュで鼻をかむ容量で鼻に空気を送る方法です。
嚥下法とは簡単に説明すると、「つばを飲み込む方法」です。つばを飲み込むことで耳抜きをする方法です。
では、具体的にバルサルバ法と嚥下法を組み合わせた、ダイビングでおすすめの耳抜きの手順を具体的に詳しく解説したいと思います。
まず耳抜きのときの呼吸の仕方について説明します。
耳抜きの際の基本の呼吸法は、「口から吸って鼻から吐く」です。
詳しく説明すると、口から吸って鼻から吐こうとするが、実際は鼻をつまんでいるので、耳抜きの最中は口からも鼻からも息がもれない状態で息を止めることになります。
このように、鼻からも口からも空気が漏れていない状態を作ることがとても重要です!
では、順を追って説明します。
- 口から少し息を吸い、吸った空気が口から漏れないように口を閉じる。
- 鼻からも空気が漏れないように指で鼻をしっかりつまむ。
- 目を閉じる
- つばを飲み込むorティッシュで鼻をかむように鼻に空気を送る
- 逃げ場を失った空気が耳の方へ流れるよう耳に意識を集中する
首肩の力を抜いて上記1~5の手順で、耳抜きにチャレンジしてみましょう。
まずは、口から少しだけ空気を吸って、吸った空気が口から漏れないように口を閉じます。
口から空気が漏れないようにするコツは、口の中で舌を上あごにつけて『ん』の発音をするようにしまよう。
そうすると口から空気が漏れません。
それでも口から空気が漏れてしまうという方は、前歯で舌先を軽く噛んであげましょう。
次に、マスク(水中ゴーグル)の上から鼻をつまみましょう。
マスク(水中ゴーグル)の鼻を覆っている部分はシリコンでできているので、マスクの上から指で鼻をつまむことができます。
鼻をつまむ際は、鼻から空気が漏れないように、しっかりとつまみましょう。
これで、鼻と口両方から空気がもれないようにできましたね。
あと1か所だけ空気が漏れる場所があります。
それは目です!
口と鼻と目は細い管で繋がっているので、目から空気が漏れてしまう場合があります。
耳抜きをするときだけ、できれば目も閉じてあげましょう。
口、鼻、目から空気が漏れないようにできたら、その状態のまま唾をゴクンと飲み込んでみましょう。
口の中が乾燥してつばが出にくい場合は、つばを飲み込む仕草を少し大げさにやってみてくだい。
この時点で耳に変化を感じた方は、唾を飲む方法だけで耳抜きが出来たと思われます。素晴らしいですね!
つばを飲み込む仕草をしても、耳に特に変化を感じなかった方は、次の鼻に空気を送り込む方法に進んで下さい。
鼻に空気を送り込む方法は、口、鼻、目を閉じた状態で、ティッシュで鼻をかむ要領で、鼻に息を送ってあげます。
このとき、逃げ場を失った空気が耳へ流れ込むよう、耳に意識を集中しましょう。
ここでとても重要なポイントがあります。
まずは、鼻に空気を送り込む力加減です。
力いっぱい強くはNG、弱すぎるのもNGです。
次に、送り込む時間にも大切です。
一気に短いのはNGです。4秒から5秒かけ、ゆっくりと少しずつ圧をかける感じで、鼻に空気を送り込んであげましょう!
耳がポコンといったり、スカッという感じか、音がしなくても何かしらの変化があればがあれば、耳抜きはできていると思われます。
内耳や鼓膜を傷つける恐れがあるので、一気に力いっぱい勢いよく耳抜きするのは絶対にやめましょう。
マスクの上から鼻をしっかりとつまみましょう。
片手で鼻がつまみずらい方は両手の指でつまみましょう。
片方の耳だけ耳抜きができないときは、できないほうの耳を上にあげて、できないほうの首筋を伸ばすイメージで、肩の力を抜き、できない方の耳に意識を集中して、鼓膜を上に押し上げるつもりで優しく耳抜きをやってみましょう。
ダイビング中、耳抜きをこまめにやっても耳の違和感が強く、耳に痛みを感じるときは、耳を指さしてインストラクターに耳が痛いことを伝えましょう。
耳抜きのコツ
耳抜きのコツを下にまとめました。
日常生活、ダイビングの数日前、前日、当日、ダイビング中など、様々な場面で試せるコツをまとめました。
- 日頃から、首周りの胸鎖乳突筋、側頭部、耳たぶの裏のマッサージをしてほぐす。
- ダイビング4、5日前から、耳鼻科で抗アレルギー剤を処方してもらい服用しておく。
- ダイビング前日の飲酒を控える。
- ダイビング前日は十分な睡眠をとる。
- ダイビング当日は、牛乳、チーズなど乳製品を食べない。
- ダイビング前にガムを噛んであごを動かしておく。
- ダイビング前に、首周り、胸鎖乳突筋と側頭部、耳たぶの裏をマッサージする。
- 潜降前に水面で一度耳抜きをしておく。
- ゆっくりと潜降する。(特に水深5mまでは慎重に)
- 耳に違和感を感じる一歩手前に、早め早めにやる。
- 鼻と口から空気が漏れないように、しっかり鼻を指でつまみ口を閉じる。
- 首、肩の力を抜きリラックスする。
- 顎の力を抜き、マウスピースを力いっぱい噛まないよう気をつける。
- 頭が下の逆立ちの体勢にならないよう注意する。
- ゆっくりと浮上する。
- 片方の耳だけ出来ないときは、出来ない方の耳を上に向け、出来ない方と反対の手で鼻をつまんで耳抜きをする。
体験ダイビングで耳抜きが上手くできない原因
ダイビング初心者の方が参加する体験ダイビングツアーでは、耳抜きが苦手なお客様が非常に多くいらっしゃいます。
私の経験上、体験ダイビングで耳抜きが上手くできないお客様には、共通する点がいくつかあります。
- 潜降スピードが速すぎる
- 耳抜きのタイミングが遅い
- 耳抜きの回数が足りない
- 口から空気が漏れてしまう
- 鼻をしっかりつまめず、鼻から空気が漏れてしまう
- 一気に力強く「フン」と耳抜きをする
- 鼻に空気を送り込む力が弱い
- 鼻に空気を送り込む時間が短い
よくお客様を観察し、耳抜きが出来ない原因を考え、適切なアドバイスをさせて頂くと、ほとんどのお客様は耳抜きができるようになります。
上でお伝えした、耳抜きのコツと、体験ダイビングで耳抜きが上手くできない原因を参考にして頂ければ、体験ダイビングが初めての方でも多くの方が耳抜きに成功するはずです。
耳抜きができないときの対処法
耳抜きがうまくできなくても、慌てる必要はありません。
次に、耳抜きができなかったときの対処法をお伝えします。
耳抜きがうまくできず耳が痛くなった場合は、水中で大きく耳を指差すジェスチャーをして、インストラクターに耳が痛いことを伝えましょう。
そしてそれ以上深いところへは行かず少しだけ浅いほうへ移動しましょう。
少しだけ浅いほうへ移動すれば水圧が減るので耳の痛みはやわらいで違和感くらいにおさまります。
痛みが違和感くらいにやわらいだら耳抜きをもう一度やってみましょう。
水中で耳が痛くなる方は、耳抜きのタイミングが遅い、耳抜きの回数が足りないと思って下さい。
ダイビング中に耳が痛くなった方は、もっと早めに、こまめに耳抜きをするよう心がけましょう!
片方の耳だけ、耳抜きができない場合の対処法
ダイビング中片方の耳だけ、耳抜きができないことがよくあります。
方耳だけ耳抜きができないときは、耳抜きができない方の耳が上になるように、頭を左右のどちらかに傾けて、できないほうの首筋を伸ばしてあげましょう。
この時、出来た方の耳を肩にくっつけるくらいの気持ちで、大きく頭を傾けましょう。
そして耳抜きができたほうの耳側の手で鼻をつまみ、もう一度耳抜きをやってみてください。
それでも抜けないときは、水中で大きく耳を指差すジェスチャーをして、インストラクターに耳が痛いことを伝えましょう。
耳抜きトレーニング方
耳抜きが苦手な方に朗報です!
耳抜きのトレーニングができる器具や、水圧の変化を緩やかにして耳抜きを簡単にしてくれるアイテムをご紹介します。
オトヴェント
耳抜き練習器具です!
もともとは、子供の滲出性中耳炎の治療のために用いられる自己耳管通気器具です。オトヴェントによる耳管通気の基本原理が、ダイビングの耳抜きと同じであることから、耳抜きが苦手なダイバーの耳抜きトレーニング器具として広く用いられるようになりました。
特に、一気に力強く耳抜きをしてしまう方、鼻に空気を送り込む力が足りない方、鼻に空気を送り込む時間が短く送り込む空気量が足りていない方に効果的ですので、ぜひお試し下さい。
ダイビング用耳栓
水圧の変化を和らげてくれるダイビングや素潜り専用の耳栓です。
スコットバルブと呼ばれる特殊な通気口のお陰で、耳に感じる水圧の変化が通常よりもゆっくり、耳抜きのタイミングが遅れて耳が痛くなることが少なくなります。
ただし、耳に形やサイズによってフィットするのが難しい場合もあるので、耳抜きの効果には、個人差が出るアイテムだと思います。
また、耳栓と言っても耳に水が入るのを防ぐ器具ではありません。
ダイビングの潜降による急激な圧力変化を緩和してくれる耳栓です。
この耳栓をしても、耳抜きは必ず必要ですのでご注意ください。
※一般的な耳栓は、ダイビングではご使用に慣れませんので、ご注意ください。
プロイヤーマスク
左右に両耳を覆うイヤーカップが付属されたダイビングマスクです。
マスク本体とイヤーカップを管で繋がっています。
鼻から息を吐き、マスク本体からイヤーカップへ空気を送ることで、イヤーカップ内の圧平衡ができます。
いつも耳抜きに悩まされているダイバーにおすすめのアイテムです。
耳抜きについてのまとめ
耳抜きのコツは、ずばりタイミングです。
いつ耳抜きをするか、そのタイミングが重要です。
耳抜きは、耳がツーンとしてくる前に、違和感を感じたらなるべく早めに頻繁に行いましょう。
まず水面で一回きちんと行い、頭が沈んだ時点でもう一回、水深1メートルでもう一回、というように耳がツーンとなる前に早め早めにこまめに耳抜きを行うことが何よりも大切です。
口と鼻から空気が漏れてしまうと、耳抜きが難しくなりますので、口と鼻をしっかり閉じる事も耳抜きの大切なコツです。
寝不足や風邪を引いていると耳抜きができずらくなるので、ダイビングの前日はお酒は控えめにして、十分な睡眠をとり休息しておくことも耳抜きをスムーズにする大切な要素です。
ダイビングが初めての場合、水中で耳抜きをやっても、うまくできたかどうかがわかりずらい場合もあります。
頭で考えすぎると混乱してしましますので、とにかくこまめに早めに耳抜きをやって、耳が痛くなければ大丈夫だと思っておいて下さいね。
宮古島のダイビングショップ「ガイド屋さん」では、今回ご紹介させていただいた耳抜きのコツ以外にも、ダイビングに役立つ情報をまとめています。
ぜひそちらを参考に、安全快適にダイビングをお楽しみください!
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